筋トレ、特にストレングストレーニングに取り組んでいる方の中には、「なぜ自分は、なかなか力がつかないのか?」または、「なぜ重量が増えないのか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。トレーニングを始めたばかりの頃は、重量が順調に増えていき、「この調子なら、BIG3の合計500kgもすぐに達成できそうだ!」と思ったことがあるかもしれません。
しかし、いつの間にか停滞期を迎え、他の人は簡単に重量を増やしているのに、自分だけが停滞しているように感じることがあります。実は、トレーニング自体に大きな問題があるわけではなく、ストレスや食事などの外的要因が影響している可能性も考えられます。もちろん、これらの外的要因を確認し、改善することも重要ですが、この記事ではジムでのストレングストレーニングにおけるよくある間違いと、重量が増えない理由について解説していきたいと思います。
1. 左右の不均衡
同じトレーニングを長期間繰り返すと、身体がそれに適応して刺激が弱くなります。特にストレングストレーニングを行い、重量を増やしていくうちに、身体のバランスの問題が次第に顕著に現れることがあります。多くの現代人の身体は、左右のバランスが完璧でないことが多いです。これは、日常生活の習慣や姿勢が原因で、すでにバランスが崩れているためです。
軽い重量でトレーニングしていると、このような不均衡はあまり目立ちませんが、重いベンチプレスやデッドリフトなどのトレーニングを行うと、片側にのみ、より負担がかかる現象を感じるようになります。このような状態でストレングストレーニングを続けると、不均衡がさらに深刻化し、トレーニングの効率が低下するだけでなく、怪我のリスクも高まる可能性があります。
例えば、左利きの場合、デッドリフトを行う際に右手のグリップが先に弱くなることがあります。また、スクワットを行う際にフォームを確認すると、身体が片側に傾いていることに気づくこともあります。このような問題は、単にストレングストレーニングの効率を低下させるだけでなく、深刻な怪我の原因にもなりかねません。
これを解決するためには、さまざまなトレーニング器具を活用することをおすすめします。一般的に、バーベルトレーニングは両手と両足を同時に使う動作で最大の力を発揮するのに適していますが、すでにバランスが崩れている状態で無理をすると、重量を上げることに限界を感じるだけでなく、怪我のリスクも増してしまいます。
このような場合、ケトルベルやダンベル、ケーブルなどのトレーニング器具を活用し、両側の筋肉をそれぞれ活性化させてバランスを取るトレーニングを並行して行いましょう。このようなバランストレーニングを行うと、バーベルトレーニングで難しく感じていた重量を、気づけば簡単に持ち上げることができるようになる変化を実感できるはずです。
2. 頻繁すぎる1RMテスト
ストレングスを目標に筋トレしていると、一度は自分の最大重量を確認したくなる衝動に駆られることがあります。「自分はどれだけ成長したのだろう?」という好奇心は自然なもので、時にはその結果を記録してSNSで共有したり、モチベーションを高めるための良い方法でもあります。
しかし、現在ストレングスプログラムを実行中であれば、結果よりもプロセスに集中することがはるかに重要です。しっかりと設計されたストレングスプログラムでは、1RM(1回の最大反復重量)の70~80%を基準にトレーニングを行い、通常、6~12週間の体系的なトレーニングが行われます。このようなトレーニングの過程で、1RMや3RMのような最大重量テストを行うことは、実質的なメリットよりも、むしろデメリットになる可能性が高いです。
最大重量テストは本来、トレーニングを開始する前に、基準点を設定するために行うことが主な目的です。すでに基準を設定した状態で、途中で再度テストを行う必要があるのでしょうか?
1RMテストの最大の問題点は、筋肉や神経系に過度の負担をかけ、疲労を蓄積させることです。このため、テストを行った日のトレーニング量が大幅に減少するだけでなく、次の日やその後のトレーニングにも悪影響を及ぼします。結局、長期的に見れば、成長速度が遅くなることは避けられません。ストレングストレーニングの鍵は、結果よりもプロセスに忠実に従うことです。目に見える数値を確認したいという欲求を一旦捨て、プログラムの進行に集中することで、より大きな成長と成果を得ることができます。
3. 重量にだけ集中
ストレングストレーニングを行う際、ただ重量を重く設定することがよくあります。もちろん、ストレングストレーニングの重要なポイントの1つは重い重量を持ち上げることですが、人間の身体は重さに耐えることを強いられる機械ではありません。重い重量を持ち上げることで筋神経系が一時的に適応し、短期的にはより重い重量を持ち上げることができるようになるかもしれませんが、長期的には十分なトレーニング量が不足し、より大きな力を発揮できなくなるリスクがあります。
また、力が強くなるとは単に筋力だけでなく、筋持久力も含まれることを理解する必要があります。短期間で1RMの目標値を更新することが目標であれば、重量に集中することは重要かもしれません。しかし、健康的で強い体力を築くためには、単に重量を増やすだけでなく、ボリュームトレーニングやインターバルなどの持久力トレーニングを併用することがより効果的です。
実際、さまざまな研究においても、トレーニングボリュームと持ち上げる重量のバランスによ李、人間の力が発達していくことが報告されています。そのため、ストレングスプログラムは一定量のボリュームを満たすように設計されています。筋持久力が不足している場合、ストレングスプログラムを適切に実行することは難しくなります。もちろん、ストレングストレーニングにおいても、トレーニング量を減らして重量を中心にトレーニングする時期があるかもしれません。しかし、全体のトレーニング期間の大部分は、ボリューム中心で構成されてこそ、長期的により大きな成果を得ることができます。
4. プログラムの途中離脱
正直なところ、ストレングスプログラムは退屈に感じることがあります。私自身も何度もそのような瞬間を経験しました。ほとんどのストレングスプログラムは、最低でも8週間から12週間にわたって続き、重要なのは「反復」です。同じトレーニング、例えばスクワット、ベンチプレス、ローイング、デッドリフトを繰り返し行う必要があります。このような反復的なプロセスは次第に退屈さを感じさせ、多くの人がプログラムを途中でやめてしまう原因となります。結果として、目標に達することができず、悔しい思いをすることになります。「この退屈さにいつまで耐えなければならないのか」、「退屈でも続ければ良い結果が出るだろう」という気持ちの間で悩むのも当然です。
そんな時、私は戦略的にプログラムを少し修正することをおすすめします。一部の人は「プログラムには、必ず従わなければならない!」という固定観念を持っているかもしれません。もちろん、専門家が作ったプログラムには、それなりの理由と根拠があります。しかし、途中であきらめるよりも、プログラムを少しアレンジしてでも、継続することの方がはるかに重要です。
例えば、補助種目の一つであるバーベルベンチプレスに飽きたら、ベンチプレスマシンやダンベルベンチプレスに切り替えてみてください。また、腕立て伏せを追加して変化をつけるのも良い方法です。重要なのは、トレーニングのバリエーションを増やしつつ、プログラムの核となる目標を維持することです。このような小さな変化を加えることで、退屈さを感じることなくトレーニングを続けることができます。
ストレングスプログラムが広く行われている理由は、最後までやり遂げることで、結果が明確に現れるからです。そのため、プログラムの原則から大きく外れない範囲で自分なりの変化を加え、継続することが最も重要な戦略と言えます。
5. 十分な休憩
筋力の基本は、筋肉です。では、筋肉はどのように形成されるのでしょうか?筋肉は、「トレーニング→損傷→回復→成長(適応)」の過程を経て発達します。トレーニングによって筋線維に微細な損傷が生じ、その後、十分な回復と栄養摂取によって損傷した組織が修復され、より強く、より太く成長するのです。しかし、この過程で回復が適切に行われなければ、筋肉は成長せず、どんなに一生懸命トレーニングしても、思うように筋力は向上しません。
人によって差はありますが、1週間に消化できるトレーニング量と回復の範囲には限界があります。そのため、トレーニング計画を立てる際には、どのような動作を選択するか、どれくらいの重さの重量を扱うかだけでなく、十分な休憩と栄養管理についても考慮する必要があります。適切な栄養摂取と休憩を取りながらトレーニングした1週間とそうでない1週間では、結果に大きな違いが生まれます。前者の場合、より速い筋力向上と効率的なトレーニングの成果を体験することができます。
バーンフィットが休憩を記録する機能を提供する理由は、単なる追加オプションではなく、トレーニング記録と同じくらい休憩の記録と管理が重要であることを伝え、これによりユーザーがより体系的にトレーニング成果を最大化できるようにするためです。
6. 最後に
初めてストレングストレーニングを始めた時のワクワク感を覚えていますか?「本当にこの重量を持ち上げることができるのか?」という疑問の中で、初めてその重量を持ち上げた時の爽快な達成感は、言葉では言い表せないでしょう。その瞬間、何でもできる気がするものです。
しかし、時間が経つにつれて、自分の扱う重量に変化がないことに気づくようになります。最初の喜びは次第に退屈に変わり、その退屈がトレーニングの目的を曖昧にしてしまいます。その結果、だんだんトレーニングを疎かにしてしまうのです。
それでも、あきらめないでください。停滞期を乗り越える方法は必ずあります。大切なのは、問題を正確に把握し、さまざまなアプローチを試しながら、着実に前進していくことです。今の停滞期は、ただの過程の一つに過ぎません。これもまた、乗り越えることができます。
この記事が停滞期を経験している皆さんのお役に立てれば幸いです。バーンフィットは、筋トレを継続するすべてのバーンフィッターをいつも応援しています!